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長野県 千曲荘病院インタビュー 第2回
「障害者の社会参画を後押しすることが精神科病院の今後の課題」
理事長・院長/遠藤 謙二 事務局長/遠藤 三重子

長野県_千曲荘病院インタビュー【第2回】障害者の社会参画を後押しすることが精神科病院の今後の課題_理事長・院長 遠藤 謙二_事務局長 遠藤 三重子

仕事の「やり甲斐」を、生き甲斐につなげる

理事長 当院も含め、今後もっと多くの精神科病院が、「ソーシャルファーム」の実現に力を入れねばならないと考えています。
 退院後、一般企業で働ける人は良いけれど、実際にはそれが難しい患者さんが非常に多い。だから、私たち医療者も応援して、スタッフと患者さんとで何とかお金を回して、生活できるレベルの賃金が稼げる事業体を作っていかねばと思います。
事務局長 働くことで、『人の役に立っている』という喜びが、きっと退院された後の患者さんの、生き甲斐につながると思います。
理事長 特に統合失調症の患者さんは、色んなものを失って自分自身に対する自信も失っています。“自分は生きていて良いのだろうか”と、本気で悩んでいる人も少なくない。そのメンタル面をスタッフがサポートしながら、仕事ができる環境を提供しなければならないと思います。単なる「レイバー」ではなく、「ワーク」であることが重要。「ワーク」に徹すれば、人の役に立っているという実感が沸き、スタッフの生き甲斐にもつながると言えます。ただ、そのためには採算性も考えねばなりません。当院は、お金よりもまず、ここにいる人たちを援助したいという、メンタリティを持っていると自負しています。とは言え、利益を出さないとソーシャルファームは継続できないことを、内外に伝えていくことが重要だと思います。
事務局長 当院がハローワークの協力を受けて取り組んでいる、デイケアの就労グループに関しても、考え方は同様です。
 カフェテリア方式の食堂をオープンしたのですが、入院してもらっている患者さんを、わざわざ歩いて行かせるのはなぜか…という意見もあります。だけど、社会復帰したら自分で食べられるようにならねばいけないし、食器も洗わねばなりません。誰かがやってくれるわけじゃないので、入院中から段階的にやっていた方が良いと思うのです。
理事長 先日、東京の精神科クリニックが運営する障害者支援所で働いている女性が、「こころのバリアフリー研究会」で事例発表するのを聞きました。その女性も統合失調症だけど、精神保健福祉士の資格を取得されたとのこと。
 時々は、調子が悪くなって仕事がイヤになることもあるらしいけど、自分が職場に行かなければ仕事が回らなくなるから、自分がモデルにならなきゃいけないから、頑張ろう…と、社会貢献する気持ちをしっかりと持っておられたのが印象的でした。
事務局長 “調子が悪い時もある”ということまで含めて、自分自身の気持ちを正直に話すことで、逆に協力者が生まれ、孤独ではなくなったのだと思います。当事者が、勇気を持って話せるというのはスゴいことですよね。
遠藤謙二 理事長 002_pc_12

 

結局、「みんなで助け合うこと」が取り組みの原点

理事長 当院は94年に精神障害者社会復帰施設を開設し、01年には地域生活支援センターも併設して精神障害者支援に取り組んでいますが、最初は施設をどこに作っても良いものだと思っていました。ところが、柵を建てて囲っておかないと認められないということを、初めて知りました。精神科病院は、地域の中でも別のゾーンだから囲ってくださいというわけです。これは逆差別ですよ。
事務局長 そんな中でも、最近は嬉しい事がありました。それは、自治会の百周年記念誌が配られ、精神病院反対運動の中心人物(故人)から逆照射された文章を読んだからです。設立の反対を唱える自治会の激しさは聞いてはいましたが、運動会を開いたり、町内より物資を買い入れたりできる努力を重ねた結果、協力者に変わると知りました。最後に『・・・昔想えば、院長(父)の恩讐の彼方と申しましょうか、私達の無能が恥ずかしく、頭が下がる思いだ。今は昔の夢物語・・・』と綴られていて、思わず涙が流れました。
理事長 地域の理解と協力を得るには、やはり私たちが行動し、こちらから近づいていくしかないのです。私も含め病院職員が、どのようなコミュニケーションを取っているか、地域の人たちは見ています。近年、地元の祭りの「房山獅子」を病院に寄らせて欲しいと、先方から申し出があり、地元に働きかけてきた“種”が、少しずつ枝葉を茂らせ始めた手応えを感じています。
事務局長 父が始めた種まきが、今、ようやく花開いているのですから、将来、私たちの代の花を開かせるため、私たちも種まきをしないといけないと感じています。
理事長 数年前から、地域における認知症患者さんの受け皿をどうするか…という問題が社会的な懸案事項になっています。認知症患者の地域包括ケアに関しても、精神障害を持つ人たちの地域生活支援も、課題の本質は同じ。お金もないし、専門家もいないのだから、みんなで助け合わないといけないということです。最も大切なのは、同じポリシーを持つ医療機関や民間団体などが、「こういう理念に基づいて、この地域でこういう活動を進める」という情報を明確にして、一体感をもって取り組みを進めることです。透明性が大事。その活動に、行政もどんどん絡んでもらうと、うまくいくのではないでしょうか。障害者支援でも認知症患者の地域包括ケアでも、「連携」という言葉が頻繁に使われますが、言葉だけの連携ではなく、医療者も含めて一体になることが重要なのだと思います。
事務局長 当院でサポートしている認知症患者さんのグループホーム「アルテミス」は、平均年齢が88歳ほどですが、最期までこの施設で暮らしたいと希望されている方は少なくないようです。
理事長 そうなると、私が病院の夢として掲げている『三者満足死』を実現させるため、医療チームと介護チームとが「連携」ではなく、「統合」という形態で動かなければなりません。現在、数名の職員が認知症治療病棟で研修を受けるなど、医療と介護の統合を実現させるために取り組んでいます。
遠藤謙二 理事長と遠藤三重子 事務局長 002_pc_13

 

城西病院

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医療法人 友愛会 千曲荘病院

〒386-8584長野県上田市中央東4番61号
TEL. 0268-22-6611
WEB:http://tikumaso.jp/

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仕事の「やり甲斐」を、生きがいにつなげる

理事長:当院も含め、今後もっと多くの精神科病院が、「ソーシャルファーム」の実現に力を入れねばならないと考えています。
退院後、一般企業で働ける人は良いけれど、実際にはそれが難しい患者さんが非常に多い。だから、私たち医療者も応援して、スタッフと患者さんとで何とかお金を回して、生活できるレベルの賃金が稼げる事業体を作っていかねばと思います。

 

事務局長:働くことで、『人の役に立っている』という喜びが、きっと退院された後の患者さんの、生き甲斐につながると思います。

 

理事長:特に統合失調症の患者さんは、色んなものを失って自分自身に対する自信も失っています。“自分は生きていて良いのだろうか”と、本気で悩んでいる人も少なくない。そのメンタル面をスタッフがサポートしながら、仕事ができる環境を提供しなければならないと思います。
単なる「レイバー」ではなく、「ワーク」であることが重要。「ワーク」に徹すれば、人の役に立っているという実感が沸き、スタッフの生き甲斐にもつながると言えます。
ただ、そのためには採算性も考えねばなりません。当院は、お金よりもまず、ここにいる人たちを援助したいという、メンタリティを持っていると自負しています。とは言え、利益を出さないとソーシャルファームは継続できないことを、内外に伝えていくことが重要だと思います。

 

事務局長:当院がハローワークの協力を受けて取り組んでいる、デイケアの就労グループに関しても、考え方は同様です。
カフェテリア方式の食堂をオープンしたのですが、入院してもらっている患者さんを、わざわざ歩いて行かせるのはなぜか…という意見もあります。だけど、社会復帰したら自分で食べられるようにならねばいけないし、食器も洗わねばなりません。
誰かがやってくれるわけじゃないので、入院中から段階的にやっていた方が良いと思うのです。

 

理事長:先日、東京の精神科クリニックが運営する障害者支援所で働いている女性が、「こころのバリアフリー研究会」で事例発表するのを聞きました。その女性も統合失調症だけど、精神保健福祉士の資格を取得されたとのこと。
時々は、調子が悪くなって仕事がイヤになることもあるらしいけど、自分が職場に行かなければ仕事が回らなくなるから、自分がモデルにならなきゃいけないから、頑張ろう…と、社会貢献する気持ちをしっかりと持っておられたのが印象的でした。

 

事務局長:“調子が悪い時もある”ということまで含めて、自分自身の気持ちを正直に話すことで、逆に協力者が生まれ、孤独ではなくなったのだと思います。当事者が、勇気を持って話せるというのはスゴいことですよね。

 

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結局、「みんなで助け合うこと」が取り組みの原点

理事長:当院は94年に精神障害者社会復帰施設を開設し、01年には地域生活支援センターも併設して精神障害者支援に取り組んでいますが、最初は施設をどこに作っても良いものだと思っていました。ところが、柵を建てて囲っておかないと認められないということを、初めて知りました。精神科病院は、地域の中でも別のゾーンだから囲ってくださいというわけです。これは逆差別ですよ。

 

事務局長:そんな中でも、最近は嬉しい事がありました。それは、自治会の百周年記念誌が配られ、精神病院反対運動の中心人物(故人)から逆照射された文章を読んだからです。設立の反対を唱える自治会の激しさは聞いてはいましたが、運動会を開いたり、町内より物資を買い入れたりできる努力を重ねた結果、協力者に変わると知りました。最後に『・・・昔想えば、院長(父)の恩讐の彼方と申しましょうか、私達の無能が恥ずかしく、頭が下がる思いだ。今は昔の夢物語・・・』と綴られていて、思わず涙が流れました。

 

理事長:地域の理解と協力を得るには、やはり私たちが行動し、こちらから近づいていくしかないのです。私も含め病院職員が、どのようなコミュニケーションを取っているか、地域の人たちは見ています。近年、地元の祭りの「房山獅子」を病院に寄らせて欲しいと、先方から申し出があり、地元に働きかけてきた“種”が、少しずつ枝葉を茂らせ始めた手応えを感じています。

事務局長:父が始めた種まきが、今、ようやく花開いているのですから、将来、私たちの代の花を開かせるため、私たちも種まきをしないといけないと感じています。

理事長:数年前から、地域における認知症患者さんの受け皿をどうするか…という問題が社会的な懸案事項になっています。認知症患者の地域包括ケアに関しても、精神障害を持つ人たちの地域生活支援も、課題の本質は同じ。お金もないし、専門家もいないのだから、みんなで助け合わないといけないということです。最も大切なのは、同じポリシーを持つ医療機関や民間団体などが、「こういう理念に基づいて、この地域でこういう活動を進める」という情報を明確にして、一体感をもって取り組みを進めることです。透明性が大事。その活動に、行政もどんどん絡んでもらうと、うまくいくのではないでしょうか。障害者支援でも認知症患者の地域包括ケアでも、「連携」という言葉が頻繁に使われますが、言葉だけの連携ではなく、医療者も含めて一体になることが重要なのだと思います。

事務局長:当院でサポートしている認知症患者さんのグループホーム「アルテミス」は、平均年齢が88歳ほどですが、最期までこの施設で暮らしたいと希望されている方は少なくないようです。

理事長:そうなると、私が病院の夢として掲げている『三者満足死』を実現させるため、医療チームと介護チームとが「連携」ではなく、「統合」という形態で動かなければなりません。現在、数名の職員が認知症治療病棟で研修を受けるなど、医療と介護の統合を実現させるために取り組んでいます。

 

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